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近況と活動報告
活動報告一覧

■■■ 2010年01月17日*NPO法人『十人十色』を尋ねて鳥取へ ■■■

写真と構成: studio-dune

鳥取へ行ってきました。このサイトで何回も取り上げさせて頂いた、岸本美鈴さんと、NPO法人・十人十色の皆様に、やっとお会いできるのです!今回は美鈴さんが代表をつとめる「鳥取発居場所ネット」が、鳥取県教育委員会の委託で、悩みを抱える青少年の社会参加促進事業を行うとのこと。中尾和子はボールエクササイズを通して身体と心の関係を考える機会を提供します。

 漢字が多くて目が滑る方は、 こちらだけお読みいただいてOKです

「十人十色が大好きで、子供たちが大好きな中尾和子が、鳥取で何かやります」

鳥取発居場所ネット
居場所ネットは、鳥取県委託事業「悩みを抱える青少年の社会参加促進事業」。
不登校・ひきこもりなどの悩みを抱える青少年に自然体験や生活体験、
労働体験を提供し、いろいろな出会いと自由を創り出すことを目的とした事業です。

セミナー会場は鳥取市内の「こぶし館」という建物。吹き抜けの部屋は「50人ホール」と呼ばれているそうです。京都から、朝一番の「スーパーはくと」で会場に到着したとき、すでにセミナーは始まっていました。
十人十色のスタッフ含め40人弱の参加者は吹き抜けホールの高い窓から差し込む光の中で、気持ちよく呼吸し、気持ちよく動いていました。みなさん真剣です。
この人口密度で床に? そこはそれ、重ならないようなんとなく場所を作ってエクササイズ開始。自分の居場所は自分で工夫して作るもの。そして、隣人の居場所を作ってあげるのも、また自分だったりするんですね。
終盤は肩のJSAボールエクササイズで、きもちよーく リラックス! エクササイズのあとは、中尾和子からの熱いメッセージでしめくくりです。来るときよりも帰りのほうが、足取りも気持ちも軽いでしょ?
こぶし館
こぶし館は不思議な空間です。宿泊や研修に使えるお部屋あり、50名収容の貸ホールあり。さまざまなイベントが行われているようです。事務所には、かつて開催されたユージン・スミス写真展の案内パネルが置いてありました。

白い壁の高い天井、窓から差し込む冬の日差しが、木の床にやさしい影を作ります。
右写真の森ガール(?)は、京都から参加の四方千代美インストラクターです。

イベント終了後、机と椅子を本来の場所に戻したところ。十人十色代表の岸本美鈴さんは、打ち合わせを終えるとあわただしくホールを出て行かれました。
ん?・・・・・・ホールのすみっこに、ピアノがありますね・・・・・
このピアノ、桜材の地模様に紛れさせるように、地味に象嵌が施されております。
かなり凝った細工です。絶対に普通のピアノとは違うぞ! と思ったので・・・

京都に戻ってからネットで調べようと思い、すいません、中を見せて頂きました。すると・・・
鍵盤の左側に年代物ワインみたいなプレートがついていました。
↓調査結果はこのページの下部で発表

野の花診療所
十人十色へ帰る途中で、こぶし館の持ち主:徳永進先生の「野の花診療所」を見学させて頂きました。野の花診療所は、がん患者さんへの終末ケアで全国的に有名な、地域密着の診療所なのでした。

おじゃまします。『診療科目 内科・緩和ケア科・呼吸器科・心療内科』と書かれたガラス扉の内側には、手すりと小さな木のベンチがありました。
一階は外来です。
左・・・なんと!これが外来の待合室!とても病院とは思えません
右・・・なんと!これが診察室の入り口!とても 以下略
左・・・・二階へ続く階段の上がり口に、大きくて分厚い寄せ書きの板がありました。遠方から見学に見えた方や、ここへ入院した(そして恐らくここで最期を迎えられた)方、そのご家族のメッセージが書かれていました。
右・・あちこちに、お花や小さな飾り物が置かれています。お花は心の慰めですね。
二階は病床。19の個室以外に、ちょっとしたスペースが多数あり、腰掛けて本を読んだり書き物をしたり出来ます。「やや大きめの物入れ」位の広さの瞑想室もありました。
二階にはラウンジも。座ってお話をしたり、お茶を飲んだり。コーヒーも、お酒のボトルもありました。CD、ビデオ、本、アップライトピアノと楽譜もありました。高級ペンションの雰囲気です。
ホテルのロビーみたいなソファで休憩させて頂いたあと、私たちは診療所をあとにしました
右・・・診療所入口。教会の椅子みたいなベンチがウエルカムな雰囲気を出しています。

NPO法人・十人十色
鳥取市から山側に車を走らせ、着いた場所は用瀬町(もちがせちょう)。岡山行きの線路から一本の小川をはさんで、十人十色の看板がありました。

改築と増築を重ねているものの、もともとは普通の日本家屋。 周囲の風景にも、ばっちり溶け込んでいます。看板がなければ施設と判りません。

お家みたいな施設です。でも、よく考えると、施設で暮らす人にはここが家。
「おうちみたいな施設」って、形容詞の使い方が間違ってるような気も。

「おじゃましまーす」という言葉が自然に出てきます。 車椅子とパイプベッドは無機質で冷たい印象なのですが、じゅうたんやコタツやソファのある部屋では暖かく見えますね。
誰が利用者で誰がスタッフか、まったく見分けがつきません!年齢が高い職員もいるし、若い入居者もいるようなのです。私たちも当たり前のような顔で普通に溶け込ませてもらえました。ここは、100%のお客さんが存在しない空間。誰もが「誰かのために生きている自分」を実感できる場所なのですね。
左・・・壁には入居者の方の作品が所狭しと飾られていました。
右・・・手作りと思われる輪投げは実用品でありながらアート。輪は透明なチューブ、中にドライフラワーやキラキラした小さなものが沢山つめられていました。
一般の方も利用できる食堂「といろ亭」にて。このオブジェは、二階の作業所で作られた作品です。展示販売も行われていました。左はペイントされた石、右は曼荼羅の額です。他、蹄鉄にペイントした魔よけの飾り物などもありました。買って帰りたい気持ちは山々だったのですが、今は部屋がごちゃごちゃで飾れず、あきらめました。次回は、飾り棚を掃除してから来たいと思います。
作業所や食堂を見学させて頂き、部屋に戻れば、 そこは、JSAボールエクササイズの会場になっていた!(笑) 「首の付け根の緊張がゆるめば、鬱っぽい気持ちは吹き飛ぶで!」

このセミ個人レッスンが始まる前にコッソリと
美鈴さん「何百人を相手に教えるクラスの先生に、この距離で習えるなんて滅多にないチャンスだから、しっかり教えてもらいなさい!」←と、鳥取弁で。
四方インストラクター「中尾先生は、喰らいついて質問する人には、どこまでもどこまでもつきおーてくれはるさかいな、何でも聞きよし」と援護射撃。

身体は軽く、心は明るく。JSAって凄いかも。 「和ちゃん大好き!」の記念撮影。
今のこの気持ちを忘れないよう、願いを込めて記念撮影。

左・・・十人十色と中尾和子の仲立ち人:長友久美子さんは、日本Gボール協会の理事でもあります。十人十色の職員になるため、東京から鳥取へ転居されたそうです!
右・・・駅前で。写真中央の女性が十人十色代表の岸本美鈴さん。

とんぼ帰りの鳥取でしたが、素晴らしい出会いと見聞に恵まれた1日でした。
本当にありがとうございました。十人十色、また行きたいです!

 

岸本美鈴さんから、当日のレポートが寄せられました。
美鈴さんありがとうございます。さっそく掲載させて頂きます!

「居場所ネット」体験事業  
いのちいきいき「合宿と ボールエクササイズ」
講師中尾和子さん

1月16日(土)居場所ネット(悩める青少年を支援する鳥取県内の団体20ヵ所がネットワークキング)の事業で合宿が始りました。会場は旧鳥取市内のこぶし館です。13名でスタート。おいしいカレーができてきました。でも、7年間ひきこもりのfちゃんは出てきません。一人、奥の部屋の隅に陣取っています。「ま!参加しただけでもいいっか!」明日のボールエクササイズの講師中尾和子(和ちゃん)さんを交えて楽しく(?)、寒くて震えながら、コート着たままのお食事。まるで極北のアラスカかどっか海外に来たみたい。宴会が始り、わいわいくっちゃべって、元ヒッキー(ひきもりのこと)だったiちゃん、ほどけてほどけて「ヒッキーのことはあたしに任せて。気持ちようわかる。あったしい、5年ひきこもっとった。fちゃん7年?負けた」等など笑いながらハイテンション。さわぎにまぎれて気がつくと部屋から出てるど。(いいぞ、いいぞ)
夜10時。fちゃん、夜泊らないで帰っていきました。
そして翌17日朝、ボールエクササイズにfちゃんが参加してきました。4〜50人いる参加者の一番後ろ、ドアの側で参加です。
そして講座が始まり、30分…、中尾和子さん、参加者の間に入って「ここはこう」「力はいってる」等など言葉かけ。すると、fちゃんおお泣きして飛び出しっちゃった。廊下で号泣。わあわあと大声で泣く。赤ちゃんのように大声で泣く。
和ちゃん気になって「ほっといていい?大丈夫?」とささやく。
「いい、いい」と私。父も「大丈夫」と。講座は4〜50人の参加者で、芋の子を洗うかのような状態。和ちゃんの言葉に食らいついている子、一生懸命変わろうとしている子が待っています。
「不登校や引きこもり、いろいろ悩んでいる子は心が辛い。でも私はカウンセリングとかの方法ではなく、身体にプッシュして身体を変えていく方法を提案しています。身体が変わると心が変わるからです。まず、身体から変えてみよ」と話し、
気持ちで身体は変わる実験(愛をもって抱いたり持ち上げたり介護すると、軽い)や、3種類の呼吸と腹筋などを通して、自分の体を見つめました。感動の中で講座は終了。
感動した参加者の多くが質問や感想を話して残っていましたが…。
和ちゃんは、あっと言う間にfちゃんを抱きしめに行っていました。抱いて抱いて抱いて抱いて、この後ずうっとfちゃんと共にいて、十人十色に到着してふと気付くと、fちゃんが和ちゃんの前に横たわっている。「いい?ここしんどいやろ?ここが固くなるとうつになるやで。動きたくても動けんやろ?」と声をかけ、手をかけ、全身全霊で、fちゃんにかかって行きます。fちゃんが笑顔になってきました。「気持ちいい〜」と言っています。
なななんと、今年の末には京都に行く約束までしたって。期日を約束できるってすごい。アバウトにいつかではなく、今年末と約束したことでそれに向けて大きく動き始める。
合宿が始まった時の顔とは別人のfちゃんがいました。
奇跡はこうして起こったのです。和子マジック!!奇跡は起こるべくして起こっているのです。愛は必ず伝わる。愛を持って全身全霊で子どもに向うこと。今回も多くのことを学びました。ありがとう!感謝です。

十人十色  岸本美鈴

【追記】こぶし館のピアノについて。特徴的な象嵌細工とプレートを手がかりに調べたところ、南ドイツの老舗ピアノメーカ・ザウター社の190周年記念モデルと判明。国内には10台しかないこと、これが谷川俊太郎さんの寄贈品であることも、ネットのあちこちに書かれていました。

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